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五十肩っぽい「腕を前に挙げると肩が痛い」方への指圧マッサージ|セラピスト向け施術手順 

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「腕を前に挙げると肩が痛い」——いわゆる五十肩っぽいお客さんが増えているものの、どこからどこまで指圧マッサージ施術で対応してよいのか悩むセラピストも多いはずです。
本記事では、痛みが出る動きの見極めや知識から、拇指・拇指圧を使った具体的な施術手順、禁忌サインのチェックまでを整理します。

安全な評価と施術の全体像、そして自宅ケア指導までを一連の流れとして解説し、五十肩っぽい、腕を前に挙げると肩が痛い方への指圧マッサージ施術法を実践に落とし込める内容です。続きを読み進めながら、自信を持って施術できるポイントを確認していきましょう。

五十肩っぽい「腕を前に挙げると肩が痛い」方を改善させる指圧マッサージ施術手順の全体像

五十肩っぽい施術手順の全体像を、ここで整理していきましょう。
難しい解剖学の話はさけて、「この順番で触れば大きく外さない」という道しるべのような内容にしていきますね。

肩の痛みが出る動きの見極め

まずは「どの動きで」「どの角度から痛みが出るのか」を、お客さんと一緒にゆっくり確認していってみてください。
腕を前に挙げる(肩関節の屈曲と言う)動きの中でも、肩の高さより前で痛いのか、耳に近づけるあたりで痛いのかで、狙う筋肉や関節包のイメージが変わってきます。

ここでは、無理に最後まで挙げさせようとせず、「痛みが出始めるあたり」で止めてもらうことがポイントです。
そこで「どこが、どう痛いか」を言葉にしてもらうことで、施術の方針が立てやすくなります。

  • 腕を前に挙げていき、痛みが出始める角度を確認する
  • 痛みが「表側」「肩の奥」「腕の付け根」など、どこに出るかを聞く
  • 痛みの質(ズキッ、重い、つっぱるなど)を簡単に共有する
  • 反対の肩でも同じ動きをしてもらい、差を確認する

施術前の安全チェック

施術に入る前に、「この人は本当に指圧マッサージなどの施術をして大丈夫かな?」という安全チェックをしておくと安心です。
五十肩っぽく見えても、実は骨折腱板断裂急性炎症が強いケースなど、指圧マッサージでは対応を控えた方がいい場合もあるからなんです。

ここでは、押さえたい確認ポイントを表にまとめておきます。
すべてを完璧に覚えなくても、「このサインがあったら無理しないで病院をすすめよう」と決めておくだけでも、セラピスト側の不安がぐっと減っていくはずです。

チェック項目見る・聞くポイント
発症状況転倒や荷物を持ち上げた直後など、はっきりしたケガのきっかけがあるか
安静時痛何もしていなくても激痛が続くか、夜間に強くうずいて眠れないか
変形・腫れ肩の形が左右で極端に違う、熱感や赤みが強くないか
可動域自動も他動もほとんど動かせないレベルかどうか
しびれ腕や手まで広がるしびれ・脱力感が強くないか

五十肩の典型的なパターン

「五十肩」といっても、実際にはいくつかの典型パターンがあるんです。
特に「腕を前に挙げると肩が痛い」という場合、肩関節の関節包のこわばりに加えて、大胸筋三角筋前部上腕二頭筋長頭腱あたりが関わっていることが多いです。

五十肩の多くは、じわじわと痛みが出てきて、だんだん上がりにくくなり、服の着替えがつらくなってくる流れをたどります。
お客さんの訴えや経過を聞きながら、「典型パターンに近いのか」「何か違和感がないか」を感じ取っていくイメージです。

  • 徐々に痛みと動かしにくさが増えてきているか
  • 夜間痛や、寝返りで目が覚めるような痛みがあるか
  • 腕を横・後ろに回す動きもつらくなってきていないか
  • 反対側の肩にも、以前似たような症状があったか

指圧マッサージの基本方針

五十肩っぽい肩への指圧マッサージでは、「強く押して効かせる」より「少しずつ動きを取り戻す」イメージ。
拇指圧でポイントをとらえつつも、痛みを我慢させるような刺激は避けていく方が安全です。

基本の方針としては、肩関節そのものをいきなり攻めるのではなく、まずは肩甲骨・胸郭まわり、首や背中からゆるめていく流れ
土台がゆるむことで、肩の前に挙げる動きが少し楽になることも多いです。

方針具体的な考え方
痛みを追いかけない痛い場所を直接強圧しすぎず、周辺から整えていく
土台からゆるめる背中・肩甲骨・胸まわりをゆるめてから肩へ
可動域を優先「上がる高さ」より「痛みが少なく動ける範囲」を広げる
安心感を重視常に強さを確認し、お客さんの表情を観察しながら進める

施術の流れのイメージ

施術の流れを、ざっくり頭の中で組み立てておくと、お客さんに対しても落ち着いて対応しやすくなります。
ここでは、一般的な流れの一例をイメージとしてお伝えします。
この通りでなければいけない、というより「こういう順番だと安全に組み立てやすい」というガイドラインのように考えてみてください。

  • 施術前評価(姿勢・可動域・痛みの出方などの確認)
  • 背中〜肩甲骨周囲の拇指圧で土台をゆるめる
  • 肩の前側・胸の筋肉(大胸筋など)を穏やかに緩める
  • 肩関節前面の浅い拇指圧+軽い他動運動で可動域を探る
  • 痛みが少ない範囲での可動域改善アプローチ
  • 最後に再度可動域と痛みの確認、自宅ケアの提案

施術時間と頻度の目安

五十肩っぽい症状は、1回で劇的に変えるというより「安全な範囲で少しずつ楽な状態を積み重ねる」イメージが近いです。
施術時間が長すぎると、かえって炎症を刺激してしまうこともあるので、全身のコースであっても、肩周囲へのアプローチ時間は配分を意識しておくと安心です。

一般的には、初回は評価も含めてやや長め、状態がつかめてきたら短めでも効果的に行えるようになります。
お客さんの生活スタイルや予算も聞きながら、無理のないペースを一緒に決めていくといいです。

施術タイプ肩周囲への目安時間頻度の目安
全身60分コース肩〜腕まわりで15〜20分程度週1回〜10日に1回
部分集中40分肩・首・背中中心で25〜30分週1回を2〜3か月継続
メンテナンス期状態に応じて10〜15分2〜4週に1回

改善の目安とゴール設定

セラピストとして不安になりやすいのが、「これで本当に良くなっているのかな?」という点です。
そこで、あらかじめ「どんな変化が出てきたら改善と考えられるか」を、お客さんと共有しながら進めると、お互いに安心しやすくなります。

いきなり「痛みゼロ」「真上まで上がる」をゴールにするのではなく、「服の着替えが少し楽になった」「腕を前に挙げる時の痛みがマシになった」などの小さな変化を大事にしていくイメージです。
その小さな変化を一緒に確認していくことで、お客さんのモチベーションも高まりやすいんですね。

  • 痛みの強さが10→7→5と少しずつ減っているか
  • 腕を前に挙げられる角度が、施術前より少しでも増えているか
  • 日常動作(洗顔、洗濯物を干すなど)が楽になってきているか
  • 夜間痛や寝返り時の痛みの頻度が減ってきているか

腕を前に挙げたときの肩の痛みの原因をセラピスト視点で整理する

腕を前に挙げたときの肩の痛みは、一見同じようでも「何が主な原因か」でアプローチの組み立て方が変わってきます。
関節包のこわばりが強いのか、筋肉の過緊張や筋膜の問題が中心なのか、あるいはその両方なのかを、おおまかにでも整理しておくと、拇指圧のポイントも見やすくなります。

五十肩の病期の理解

五十肩には、大きく分けて「急性期(痛みの強い時期)」「拘縮期(固まっている時期)」「回復期(少しずつ動いてくる時期)」という流れがあると理解してください。
同じ「腕を前に挙げると痛い」でも、どの時期かによって、刺激の量や狙いが変わってきます。

急性期では、痛みが強く、安静時や夜間でもうずくことが多いので、強い指圧マッサージは避けた方が安全です。
拘縮期では、痛みは少し落ち着きつつ、動きの制限が強く目立ってくるため、無理のない範囲で可動域を広げるアプローチがメインになってきます。

病期主な特徴施術の考え方
急性期強い痛み、夜間痛、炎症が強い直接の強刺激は避け、周辺部の軽いケア中心
拘縮期痛みはやや減少、動きが固い優しい指圧+軽い他動運動で可動域サポート
回復期痛みは軽く、動きが徐々に戻る筋バランス調整と再発予防のケアを重視

関節包の制限の特徴

五十肩っぽい状態では、肩関節を包んでいる「関節包」という袋のような組織が縮んで固くなり、動きを邪魔してしまうことが多いんですね。


関節包の制限が強いと、自分で動かしても、人に動かしてもらっても、ある角度から先に進みにくい感覚が出てきます。

「前に挙げる」「横に挙げる」「外にひねる(外旋)」など、いくつかの動きがそろって制限されているのも特徴です。
筋肉の張りだけが原因のときと比べて、奥の方でつっぱる感じや、肩の中がブロックされているような感覚を訴えるお客さんも多いです。

  • 自動でも他動でも、ある角度から先が固い感じで止まる
  • 痛みというより「中でつっぱる」「詰まる」感覚が強い
  • 屈曲・外転・外旋がセットで制限されやすい
  • 筋肉だけを押しても、すぐには可動域が変わりにくい

筋肉由来の痛みの特徴

一方で、筋肉由来の痛みがメインになっている場合は、拇指や手根での指圧マッサージが比較的早く効果を感じやすいことも多いです。
腕を前に挙げる動きでは、大胸筋、烏口腕筋、三角筋前部、上腕二頭筋長頭腱などが頑張りすぎていることがよくあります。

筋肉性の痛みでは、「押されると気持ちいい痛さ」「ほぐされると軽くなる感覚」が出やすいんです。
また、同じ角度でも日によって痛みの強さが変わったり、施術直後は挙げやすくなるなど、変化しやすいのも一つの特徴です。

特徴筋肉由来の痛みの傾向
痛みの性質重だるい、ズーンとする、押すと気持ちいい痛み
部位大胸筋や三角筋前部、上腕二頭筋の筋腹や腱付近
日内変動疲れた日・冷えた日などで強さが変わりやすい
施術反応指圧マッサージ後に可動域が変化しやすい

施術前評価で押さえるべき検査と確認ポイント

施術に入る前の評価は、「このお客さんには、どこまで攻めていいのか」「どこを中心に緩めていくのか」を決める大事な時間。
難しいテストをたくさん覚える必要はなく、「姿勢」「動き」「痛み」の3つをシンプルに見るだけでも、施術の質はかなり変わってきます。

視診と姿勢のチェック

まずは、お客さんに立位か座位になってもらい、正面・横・後ろから観察していくところから始めるといいです。
ここでは、「左右の肩の高さ」「肩甲骨の位置」「頭の前後の位置」などをざっくり見るだけでも、拇指圧のポイントが見えやすくなります。

特に、肩が前に巻いている「巻き肩」や、胸が閉じている姿勢では、腕を前に挙げるときに肩の前側の組織にストレスがかかりやすいんです。
そのため、胸を開きやすくする施術を組み込みやすくなります。

  • 左右の肩の高さ(どちらかが明らかに上がっていないか)
  • 肩の位置(前に出ているか、耳に近づいていないか)
  • 肩甲骨の高さ・内外側への偏り
  • 頭の位置(前方偏位の強さ)と胸の丸まり具合

可動域と痛みの確認

次に、腕を前に挙げる動きを中心に、可動域と痛みの出方を確認していきます。
ここでは、自動運動(お客さん自身で動かす)と、可能であれば他動運動(セラピストがサポートして動かす)の両方を、無理のない範囲で行うのがポイント。

「どの角度から痛みが出るか」「どこに痛みを感じるか」「他動運動の方が楽かどうか」などを把握することで、関節包由来か筋肉由来かのヒントになります。
強い痛みがあるときは、痛い角度の少し手前で止めてください。

チェック項目見るポイント
自動屈曲自分でどこまで前に挙げられるか、痛みの有無と角度
他動屈曲セラピストが補助したときに、どこまでいけるか
痛みの場所肩の前側・上側・奥・腕など、どのあたりか
痛みの質ズキッとする、つっぱる、詰まるなどの違い

禁忌が疑われるサイン

中には、セラピストの範囲を超えていて、病院での検査を優先した方がよいケースも含まれているんです。
そこで、「こういうサインがあったら無理に指圧マッサージしないで医療機関をすすめる」というラインを、自分の中に持っておいてください。

すべてを完璧に判断する必要はありませんが、「何かおかしいな」「いわゆる五十肩っぽさとは違うな」と感じたときは、無理せず一歩引く勇気も大切です。
お客さんの体を守ることが、最終的にはセラピスト自身を守ることにもつながりますから。

  • 突然の激しい痛みとともに、ほとんど動かせなくなった
  • 安静時や夜間の激痛が続き、顔つきもつらそう
  • 明らかな変形、強い腫れ、熱感、赤みがある
  • 腕や手のしびれ・脱力が強く、日常生活に大きく支障が出ている

五十肩っぽい症状への指圧マッサージの具体的な施術手順

ここからは、実際の指圧マッサージ施術の手順を、お伝えしていきます。
一つひとつの手技を完璧に覚えるより、「どの順番で」「どのエリアを」「どれくらいの強さで」触るかの流れがつかめると、施術への自信が少しずつ育っていきます。

肩周囲の基本の指圧手順

基本の手順としては、いきなり痛い場所を攻めるのではなく、「肩甲骨まわり → 首〜肩上部 → 肩の前側」という順番で、外側から内側へと近づいていくイメージ。
拇指を使うときは、力任せではなく、体重を乗せていく感覚を意識して押していってください。

うつ伏せ、横向き、仰向けなど、サロンの環境やお客さんの状態に合わせて体位を選びます。
最初は「自分が施術しやすい体位」から慣れていくのもいいです。

  • 肩甲骨内側縁〜菱形筋・僧帽筋を、拇指圧でじっくりゆるめる
  • 肩上部(僧帽筋上部線維)を、手根や拇指で幅広く緩める
  • 肩甲棘周囲〜棘下筋・小円筋をポイントで指圧する
  • 最後に肩の前側へ移る準備として、胸郭周りを軽く緩める

腕を前に挙げる動きに関わる筋のアプローチ

腕を前に挙げる動き(屈曲)に関わる主な筋肉には、大胸筋、烏口腕筋、三角筋前部、上腕二頭筋長頭腱などがあります。
ここを意識してアプローチできると、「狙って施術している」という感覚が持ちやすくなり、施術への自信にもつながりやすいです。

お客さんの体位としては、仰向けや横向きで、肩と腕がリラックスできる姿勢を選ぶと良いです。
強さは「痛気持ちいい〜少し弱いくらい」を基本にし、表情や呼吸をよく観察しながら拇指圧を行っていきます。

筋肉・部位触れ方・拇指圧のポイント
大胸筋鎖骨の下〜胸の外側を、胸郭に向かってやさしく圧を入れる
烏口腕筋肩の前の奥まった部分を、無理なく浅めに指先で探りながら圧
三角筋前部肩の前面〜外側にかけて、筋腹全体を面でほぐす
上腕二頭筋長頭腱肩の前の溝(結節間溝)付近を、軽い圧で短時間だけアプローチ

可動域を広げるための応用テクニック

ある程度周囲の筋肉がゆるんできたら、可動域を少しずつ広げていくための応用テクニックです。
ここで大事なのは、「痛みが出ない範囲で」「お客さんと呼吸を合わせて」動かしていくことです。

一つは、拇指圧で押しながら、腕を小さく動かしてもらう「収縮と弛緩」を利用した方法です。
もう一つは、セラピストが腕を支え、腕の重さを抜いてもらった状態で、痛みの出ない範囲で前後に小さく他動運動を繰り返す方法ですね。

  • 筋肉を軽く押さえながら、小さな自動運動をしてもらう
  • 呼吸に合わせて、吐くタイミングで少しだけ可動域を広げる
  • 痛みが出たら、必ず少し手前の角度に戻してあげる
  • 最後に、施術前後で挙がる角度や痛みの変化を一緒に確認する

施術効果を高める自宅ケア指導とセラピストの注意点

サロンでの指圧マッサージ施術だけでなく、自宅でできる簡単なケアをお伝えしておくと、改善のスピードや実感が変わってくるのが肩の痛み。
同時に、セラピスト側としては、「やりすぎないケア」「痛みを我慢しないケア」をしっかりお伝えすることが大切になってきます。

お客さんは「早く治したい」という思いから無理をしがちなので、「これくらいなら安全ですよ」というラインをお伝えしてあげると、安心して取り組んでもらいやすいです。
その積み重ねが、施術効果を長持ちさせ、セラピストへの信頼にもつながっていきます。

本記事では、五十肩っぽい「腕を前に挙げると肩が痛い」方への指圧マッサージ施術法の全体像を整理しました。

痛みが出る動きの見極めや病期の理解、関節包と筋肉由来の痛みを区別する視点が、施術方針を決める土台になります。

拇指や前腕を安定させた拇指圧を基本とし、肩周囲から腕まで一連の流れでアプローチすることで、お客さんの安心感と施術効果を高められます。

禁忌サインの確認、自宅ケア指導、改善の目安の共有まで含めてサポートすることが、セラピストとしての信頼につながります。

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