セラピスト向け背中の下あたりの痛み改善指圧|背中から腰にかけての筋肉とツボのほぐし方
指圧セミナーを主催させていただいております甲地直矢です。

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「背中の下あたりが重い」「腰との境目がいつも張る」――そんな訴えは、お客さんから最も多い相談の一つです。
しかし、背中から腰にかけての筋肉とツボを体系的に理解しないまま拇指圧をしても、なかなか結果につながりません。
本記事では、セラピスト向け背中の下あたりの痛み改善指圧として、広背筋・脊柱起立筋・腰方形筋などの重要筋肉の触診ポイントから、腎兪・志室・大腸兪といったツボの正確な位置と押し方まで詳しく解説。
拇指をどう使い、どの順序でほぐすと、お客さんの姿勢と体感が変わるのかを、うつ伏せでの実践的な手順と注意点とともにお伝えします。
背中の下あたりの痛みを改善する筋肉やツボ
背中の下あたりの痛みは、「どこを押せばいいのか分からない」と不安になりやすい部位です。
ここでは、セラピスト向け背中の下あたりの痛み改善指圧として、背中から腰にかけての筋肉とツボのほぐし方を、解剖学の言葉もかみ砕きながら整理していきます。
拇指圧を中心に、安全に結果を出しやすい基本ポイントを一緒に確認していきましょう。
背中の下あたりの痛みの主な原因
背中の下あたりの痛みは、多くの場合「筋肉の疲労」と「姿勢のクセ」が合わさって起きています。
長時間のデスクワークやスマホ操作で、背中から腰にかけての筋肉(とくに広背筋・脊柱起立筋・腰方形筋)が引き伸ばされたまま固まり、血流が低下することで痛みが出やすくなります。
また、冷えや睡眠不足、ストレスにより自律神経のバランスが乱れ、ツボ(腎兪・志室・大腸兪)まわりのこわばりが増すこともあります。
お客さんは「筋肉が悪い」とは自覚していないことが多いので、「姿勢」と「冷え」など、生活背景も一緒にイメージしながら施術ポイントを組み立てると、説明もしやすく安心感を与えやすくなります。
指圧で狙うべきすべての筋肉名
背中の下あたりの痛みを緩和するには、痛い場所だけでなく関連する筋肉まで俯瞰してみることです。
ここで一度、背中の下あたりの痛み改善指圧で意識したい筋肉を整理しておきましょう。
名前だけ見ると難しそうに感じるかもしれませんが、施術中に少しずつ位置と役割を確認していけば大丈夫です。
| 部位 | 重要筋肉名 | ひと言イメージ |
|---|---|---|
| 背中~側面 | 広背筋 | 背中の大きな羽のような筋肉 |
| 背骨沿い | 脊柱起立筋群 | 背筋をまっすぐ保つ柱 |
| 腰の横 | 腰方形筋 | 腰を横から支える支柱 |
| お尻 | 大殿筋・中殿筋 | 骨盤を安定させる土台 |
| もも裏 | ハムストリングス | 骨盤を後ろに引っ張る筋肉 |
背中から腰にかけての筋肉が硬結すると見られる姿勢の変化
背中から腰にかけての筋肉が硬結してくると、見た目の姿勢にも分かりやすい変化が出てきます。
施術前にお客さんの立位・座位をチェックしておくことで、どの筋肉に負担がかかっているかを推測しやすくなります。
とくに、脊柱起立筋や腰方形筋、広背筋のこわばりは、次のような姿勢として現れやすいです。

- 腰を反らしすぎている(反り腰)
- 背中が丸まり、肩が前に入っている(猫背)
- 片側の肩が下がっている、または骨盤が片側に傾いている
- 立位で、身体がわずかにどちらか一方に流れている
- 歩くときに腕の振りが小さい、または片側だけ振りにくい
背中から腰の重要筋肉がほぐれた時に見られる姿勢チェックポイント
背中から腰にかけての重要筋肉(広背筋・脊柱起立筋・腰方形筋など)が拇指圧でほぐれてきたときに見られやすい姿勢の変化を下記に記してみます。参考にしてみてくださいね。
| チェック項目 | 変化の目安 |
|---|---|
| 立位での肩の高さ | 左右差が小さくなり、肩のラインがそろう |
| 腰の反り具合 | 過度な反り腰や丸まりがやや中間に近づく |
| 前屈・後屈 | 動き始めがスムーズになり、痛みの出る角度が広がる |
| 呼吸の深さ | 息を吸いやすくなり、胸とお腹が自然に広がる |
| 立っているときの安定感 | 足裏全体で床を踏める感覚が出てくる |
背中から腰にかけての重要筋肉と繋がっている筋肉名
背中から腰にかけての筋肉は、単独で働いているわけではなく、全身の他の筋肉と「ライン」のようにつながって働いています。
セラピスト向け背中の下あたりの痛み改善指圧では、痛みのある場所だけでなく、このつながりを意識して拇指圧をすることで、施術効果が広がりやすくなります。
- 広背筋:上腕骨(腕の骨)につながり、二の腕の緊張や肩関節の動きと連動
- 脊柱起立筋:後頭部から仙骨まで背骨沿いに連続し、首こり・肩こりとも関連
- 腰方形筋:第12肋骨と骨盤を結び、腹斜筋や大腰筋とも協調して体幹を安定
- 大殿筋・ハムストリングス:骨盤を介して腰部と連動し、前屈・立ち上がり動作に関与
- 腹筋群:背筋と拮抗し、バランスが崩れると腰への負担が増える
上記の図は大事なポイントなので是非、押さえておきましょう。
背中から腰にかけての施術での注意点
背中から腰にかけての拇指圧は、押し方を誤ると不快感やもみ返しにつながりやすい部位でもあります。
とくに肋骨周辺や腰椎の上には、少しだけ注意する意識をもって施術してみてください。
下記に施術ポイントを記しておきます。
| 注意ポイント | 具体的な配慮 |
|---|---|
| 強さ | 「痛気持ちいい」を目安に。 |
| 方向 | 骨に垂直ではなく、筋肉の走行に沿ってやや斜めに圧をかける |
| 呼吸 | お客さんの吐く息に合わせてゆっくり圧を加え、吸うタイミングで抜く(出来なくても問題ありませんが一応記載しておきます) |
| 既往歴 | 腰椎ヘルニア、骨粗鬆症、手術歴の有無を必ず事前に確認 |
| 体勢 | うつ伏せで腰が反りすぎないよう、足の下にタオルを入れて調整 |
背中の下あたりの痛みと関連する筋肉の見極め方
ここからは、背中の下あたりの痛みと特に関係が深い「広背筋・脊柱起立筋・腰方形筋」の3つに絞って、解剖学的な位置と触診のコツを確認していきます。
名称だけ聞くと難しく感じるかもしれませんが、実際には「どこからどこまで」「どの方向に走っているか」をざっくりつかむだけでも、拇指圧の精度はぐっと上がります。
広背筋の解剖と触診ポイント
広背筋は、背中の下半分から脇腹にかけて大きく広がる薄い筋肉で、「背中の羽」のようなイメージを持つと分かりやすいです。

腰のあたりから始まり、背骨の下部や骨盤、肋骨の一部から起こり、最終的には上腕骨(腕の骨)の前側につきます。
腕を後ろに引いたり、体側に引き寄せるときに働く筋肉です。
触診のコツとしては、お客さんをうつ伏せにし、腕を軽く体側に下ろしてもらいます。
腰より少し上の外側(脇腹寄り)に手を置き、「腕を体にぐっと引き寄せてみてください」と軽く力を入れてもらうと、その下でふわっと硬くなるのが広背筋です。
このラインに沿って拇指圧を行うことで、背中から腰にかけての筋肉とツボのほぐし方に広がりが出てきます。
脊柱起立筋の解剖と触診ポイント
脊柱起立筋は、首の付け根から腰、仙骨まで背骨の両側を縦に走る、長い筋肉の集合体です。
背筋をまっすぐ伸ばしたり、身体を後ろに反らすときに大きく働くため、長時間の座り姿勢や前かがみの姿勢で疲労しやすいのが特徴です。
背中の下あたりの痛みの多くに関わる、重要なターゲットになります。
触診のときは、うつ伏せで背骨の真横、指1~2本分外側に拇指を置きます。
「少しだけ背中を反らせるイメージで、力を入れてみてください」と伝えると、背骨の両側に柱のように隆起してくるのが脊柱起立筋です。
拇指圧を行う際は、骨に直接ではなく、この柱状の筋腹に沿って、肋骨に平行またはやや斜め内側に向かってじんわり圧をかけるのがコツです。
| 部位 | 触診の目安 |
|---|---|
| 胸椎部 | 肩甲骨の内側〜背骨の間を意識しつつ、背骨から指1〜2本外側 |
| 腰椎部 | ウエストライン付近から骨盤上縁まで、同じく背骨から指1〜2本外側 |
| 圧の方向 | 背骨方向に垂直ではなく、筋腹をつぶさない程度にやや内側へ |
腰方形筋の解剖と触診ポイント
腰方形筋は、背中の下あたりの痛みの中でも「腰の奥のズーンとした重だるさ」と関係が深い筋肉です。

第12肋骨(いちばん下の肋骨)と骨盤の上の縁(腸骨稜)をつないでいて、体を横に倒したり、腰を安定させる役割を持ちます。
表面からは少し深い位置にあるため、深い拇指圧が必要です。
触診のときは、お客さんをうつ伏せにして、腰のくびれあたりに注目します。
骨盤の上の角(腸骨稜)を指でなぞり、その内側・やや背骨寄りに拇指を置きます。
「少しだけ片側のお尻を持ち上げるように力を入れてください」と伝えると、腰の奥でキュッと硬くなる部分があり、そこが腰方形筋です。
背中から腰にかけての代表的なツボの位置と押し方
筋肉だけでなく、東洋医学でいう「ツボ」を併用することで、背中の下あたりの痛みに対して、より深いリラックスや内臓面へのアプローチも期待できます。
ここでは、背中の下あたりの痛み改善指圧としてよく用いられる、腎兪・志室・大腸兪の3つのツボの位置と、拇指を使った基本的な押し方をシンプルにまとめていきます。
腎兪の位置と押し方
腎兪(じんゆ)は、「腰のだるさ」や「冷え」と関係が深いツボで、背中から腰にかけての筋肉とツボのほぐし方の中でも、よく使われるポイントです。

位置は、ウエストライン上で、第2腰椎棘突起(腰の真ん中あたりの背骨)から左右へ指2本分ほど外側にあります。
背骨のキワではなく、少し離れた筋肉の上にある、とイメージすると見つけやすいです。
押し方としては、お客さんをうつ伏せにし、両方の腎兪に拇指をセットします。
そのまま拇指圧で体の中心に向かって、ゆっくりと圧を入れていきます。
圧をかける時間は3〜5秒ほどキープし、ふわっと抜く、を数回繰り返します。
志室の位置と押し方
志室(ししつ)は、腎兪のやや外側に位置するツボで、腰の深いコリや、下半身のだるさ、足の冷えなどと関連が深いとされています。
腎兪からさらに指2本分ほど外側(背中の筋肉の厚みがしっかりある場所)にあるとイメージすると探しやすくなります。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目安の位置 | 第2腰椎棘突起の高さで、背骨から外側へ指4本分前後 |
| 触れたときの感覚 | 押すと「ズーン」と奥に響くような圧覚が出やすい |
| 押し方 | 拇指でやや内側・頭側に向けて、呼吸に合わせて3〜5秒圧迫 |
| 注意点 | 痛みが強く出やすいので、圧の強さは10段階で5〜6程度に抑える |
志室は、腎兪とセットで拇指圧すると、お客さんが「腰が軽くなった」と感じやすいツボです。
大腸兪の位置と押し方
大腸兪(だいちょうゆ)は、腸の働きと関係が深いツボですが、背中の下あたりの痛みや、腰のハリにもよく用いられます。
位置は、第4腰椎棘突起(多くの人で「ウエストより少し下」の背骨)から左右へ指2本分ほど外側です。

骨盤の上のラインとほぼ同じ高さと覚えておくと、見つけやすくなります。
押し方は、うつ伏せで背骨のラインを確認し、第4腰椎の高さを見つけたら、そこから左右に拇指をずらします。
圧の方向は、体の前方(お腹側)に向かって垂直気味に拇指圧をかけますが、強く押し込みすぎないよう注意します。
背中の下あたりの痛みを和らげる指圧テクニックの進め方
ここでは、実際の施術の流れをイメージしやすいように、「うつ伏せでの基本手順」と「応用施術編」に分けて、背中の下あたりの痛み改善指圧の進め方を整理していきます。
うつ伏せでの基本手順を筋肉名で解説
うつ伏せでの基本手順は、「広い面 → 背骨沿い → 腰の奥 → ツボ仕上げ」の流れで考えると、組み立てやすくなります。
それぞれ、どの筋肉をイメージしながら拇指圧するかを意識すると、「ただ押している」状態から一歩進んだ施術になりますよ。
- ①広背筋全体を手掌圧でほぐす:まずは手のひらで手掌圧をかけ、背中の緊張をならす
- ②脊柱起立筋を背骨の上から下へ:拇指圧で、首の付け根〜腰まで柱状の筋肉を丁寧にたどる
- ③腰方形筋を探し、奥のコリを解放:骨盤上縁の内側に拇指をセットし、深部へ拇指圧を繰り返す
- ④腎兪・志室・大腸兪を仕上げに:ツボを意識しながら、やや長めに圧をキープしてリラックスを促す
- ⑤最後に広背筋と殿筋をゆるめる:背中からお尻までを一つのラインとして、手掌で全体をなでるように整える
背中から腰にかけての指圧施術の応用施術編
基本手順に慣れてきたら、背中から腰にかけての筋肉とツボのほぐし方に、いくつかの「応用」を加えてみましょう。
応用といっても難しいものではなく、「体位を少し変える」「拇指圧の方向を変える」だけでも、体感は大きく変わります。
お客さんの状態に合わせて、無理のない範囲で取り入れてみてください。
| 応用テクニック | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 側臥位での腰方形筋指圧 | 横向きで、上側の腰方形筋を拇指で垂直に押す | うつ伏せで苦しい方や、妊婦さんにも応用しやすい |
| 広背筋+腕の連動アプローチ | 広背筋を押しながら、もう一方の手で腕をゆっくり前後に動かす | 筋肉の走行を感じやすく、肩〜背中の一体感が出る |
| 殿筋とのセット指圧 | 大殿筋・中殿筋を同じセッションでしっかりほぐす | 骨盤が安定し、腰の軽さを実感してもらいやすい |
| 呼吸誘導を組み合わせる | 押すときに「ゆっくり吐いてください」と声かけ | お客さんの緊張が抜け、拇指圧がより深部に届く |
背中から腰にかけての指圧マッサージ施術で結果を出すためにこれだけは押さえておくポイント
最後に、背中から腰にかけての指圧マッサージで結果を出すための「外せないポイント」をまとめます。
テクニックの多さよりも、「どこに」「どのくらい」「どんな意図で押すか」をはっきりさせることが、自信のなさを埋めてくれる大きな味方になります。
背中の下あたりの痛みでは、広背筋・脊柱起立筋・腰方形筋を中心に、腎兪・志室・大腸兪などのツボを組み合わせて、拇指圧をゆっくり丁寧に行うこと。
「強く押す=上手い」ではなく、「安全で、心地よい圧で痛みや違和感を改善させる手技」ことこそが大事だと甲地は思います。
本記事では、セラピスト向けに背中の下あたりの痛み改善指圧として、背中から腰にかけての筋肉とツボのほぐし方を整理しました。
広背筋・脊柱起立筋・腰方形筋などの解剖と触診ポイントを理解することで、硬結の見極めや姿勢評価の精度が高まります。
ツボでは腎兪・志室・大腸兪の位置と押し方を押さえ、拇指や拇指圧を中心とした安定した圧のコントロールが重要です。
お客さんの痛みの原因を構造的・機能的に評価し、うつ伏せでの基本手順から応用施術へと展開できれば、背中の下あたりの痛みを的確に軽減し、姿勢改善にもつながります。
安全面への配慮と十分なコミュニケーションを前提に、本記事のポイントを現場で繰り返し実践し、自身の触診精度と介入スキルを磨いていってください。
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