背中がつらいと言われた時の指圧マッサージ施術法|セラピスト向け背中こり改善アプローチ
指圧セミナーを主催させていただいております甲地直矢です。

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「背中がつらい」とお客さんに言われたとき、どこから評価し、どこまで施術してよいのか迷うことはありませんか。
本記事では、セラピスト向け背中こり改善アプローチとして、背中がつらいと言われた時の指圧マッサージ施術法を、初期評価から施術構成まで体系的に解説します。
拇指・拇指圧を中心とした安全な圧の方向と深さ、押してはいけない危険サイン、タイプ別・部位別の具体的な手技のポイントまで。
「今まで何となく押していた背中」を、根拠をもってアプローチできるようになるための実践的ガイドを、順を追ってお伝えしていきます。
背中がつらいと言われた時の指圧マッサージ施術法を用いたセラピスト向け背中こり改善アプローチの全体像
背中がつらいと言われた時の指圧マッサージ施術法の全体像を、ここで整理していきます。
解剖学の専門用語は必要なところだけにしながら、施術が苦手だと感じているセラピストさんでも、そのまままねしやすい流れで説明していく構成ですね。
拇指圧を中心に、安全に背中こりを和らげていくための「評価→見立て→施術→振り返り」という一連の流れをイメージしながら読み進めてみてください。
背中がつらいと言われた時の初期評価
お客さんに「背中がつらい」と言われた時、いきなり強く押さずに、まずは全体像をつかむ初期評価から入るのが安心ですね。
背中こりと言っても、筋肉の疲労なのか、姿勢の崩れなのか、ストレスや自律神経の乱れが関係しているのかで、アプローチが変わってきます。
ここでは、痛みの場所・広がり・性質(ズーンと重いのか、ピリっとするのか)を、やさしく確認しながら、危険サインがないかも同時にチェックしていくイメージを持つといいですね。
問診で確認すべきポイント
問診では、短時間でも「今の背中の状態」と「日常生活のクセ」をつなげて聞き出していくのがコツ。
お客さんの言葉をさえぎらずに、安心して話してもらえるようにうなずきながら聞いていくと、本当のつらさに近づきやすくなります。
| 確認項目 | 具体的な質問例 |
|---|---|
| 症状の場所・範囲 | 「背中のどのあたりが一番つらいですか。」 |
| 症状の性質 | 「重だるい感じですか、それともピリッと痛みますか。」 |
| 発症時期・きっかけ | 「いつ頃から気になっていますか。」 |
| 生活習慣 | 「デスクワークやスマホ時間はどれくらいありますか。」 |
| 既往歴・通院 | 「病院で診てもらったことはありますか。」 |
視診と触診のチェックポイント
視診と触診は、「どこをどのくらい押していいか」を決める、とても大事な材料です。
まずは服の上からでも良いので、肩の高さの左右差、肩甲骨の位置、背骨(脊柱)のゆがみ、呼吸の深さをやさしく観察していきます。
触診では、拇指だけでなく手掌や母指球も使いながら、冷えているところ・かたく盛り上がっているところ・逆に力が抜けているところを、ゆっくり確かめる意識で触れていくと安心です。
押してはいけない危険サイン
背中がつらいと言われた時でも、「これは強く押してはいけない」「医療機関をすすめた方がよい」という危険サインがあります。
自信がないと、こうしたサインを見逃してしまわないか不安になると思うんですが、いくつかのポイントだけでも押さえておくと判断しやすくなります。
- じっとしていても刺すような強い痛みが続いている。
- 背中の痛みと一緒に、胸の痛み・息苦しさ・冷や汗がある。
- 最近、転倒や交通事故など強い外傷があった。
- 背骨を軽く叩くだけで強い痛みが走る。
- がんや骨粗鬆症などの既往があり、急に痛みが出てきた。
こうした場合は無理に拇指圧で押さず、施術を中止して受診をすすめる判断が大切です。
指圧マッサージの基本的な考え方
背中がつらいお客さんへの指圧マッサージでは、「強く押せば効く」という発想から少し離れてみると、施術がぐっとやりやすくなるんです。
基本は、筋肉と神経が安心できる刺激量で、呼吸に合わせながら拇指圧をゆっくり届けていくイメージです。
| 基本要素 | ポイント |
|---|---|
| 圧の方向 | 表面から骨の方向へ「垂直に」入れる意識を持つ。 |
| 圧の強さ | 「イタ気持ちいい~少し弱い」くらいを目安にする。 |
| 圧のスピード | 急がず、ゆっくりと沈み込んで、ゆっくり抜く。 |
| リズム | お客さんの呼吸に合わせて、一定のリズムで行う。 |
| コミュニケーション | 「強さ」「場所」が合っているか、こまめに確認する。 |
施術前の姿勢とポジショニング
施術前に、お客さんとセラピスト両方の姿勢とポジショニングを整えることで、拇指圧が安定して入りやすくなるんですね。
自信がない時ほど、つい腕の力で押してしまいがちですが、実は自分の足の位置と腰の高さを整える方が、ずっと大事なんです。
- お客さんは基本的にうつ伏せで、腰や胸が苦しくないかを確認する。
- 顔まわりにタオルを調整し、呼吸がしやすい状態にしてあげる。
- セラピストの足は肩幅程度に開き、前後に軽くずらして体重移動しやすくする。
- ベッドの高さは、自分の指が楽に背中へ届く位置(膝〜大腿くらい)に調整する。
ポジショニングを整えるだけで、同じ拇指圧でも驚くほど楽に押せるようになりますよ。
施術全体の流れの組み立て方
背中がつらいと言われた時の指圧マッサージ施術を組み立てる時は、「全体→局所→全体」に戻す流れを意識すると、安心して進めやすくなります。
背中だけに集中しすぎず、首・肩・腰とも関連づけて考えると、施術が組み立てやすくなるんですね。
| ステップ | 内容の目安 |
|---|---|
| ①全体ほぐし | 背中全体を手掌で軽くほぐし、筋肉の状態を把握する。 |
| ②主訴部の指圧 | 一番つらいと訴えている部位を中心に拇指圧で丁寧に行う。 |
| ③関連部位のケア | 首・肩・腰・肋骨まわりなど、原因になりそうな場所もケアする。 |
| ④仕上げの全体調整 | 再び広い面で背中全体を整え、リラックスして終われるようにする。 |
途中でお客さんの反応を見ながら、時間配分を微調整していくといいです。
背中がつらいクライアントのタイプ別評価と見立て方
背中がつらいと言っても、全て同じ「背中こり」ではないんです。
施術に自信が持てない時ほど、「このお客さんはどのタイプかな」と仮のイメージを持つことで、拇指圧の強さやポイントを決めやすくなってきます。
ここでは、筋疲労がメインのタイプ、呼吸が浅いタイプ、デスクワークが原因になっているタイプという3つに分けて、やさしく見立てをしていく流れを整理していきます。
筋疲労がメインの背中こり
筋疲労がメインの背中こりは、いわゆる「使いすぎ」で筋肉がパンパンになっている状態なんです。
重い荷物を持つ仕事や、スポーツ後、立ち仕事で同じ姿勢が続いたお客さんに多くみられます。
| 特徴 | チェックポイント |
|---|---|
| 痛みの性質 | ズーンとした重だるさ、筋肉痛に近い感覚。 |
| 触診所見 | 筋肉がロープのように張っているが、温かさも感じる。 |
| 動作との関係 | 動かすと少し楽になることもある。 |
| 施術のポイント | 拇指圧は中等度まで。持続圧でじっくり緩めていく。 |
力任せに押さず、「使った筋肉をねぎらう」イメージでアプローチすると良いですよ。
呼吸が浅いタイプの背中こり
呼吸が浅いタイプの背中こりは、ストレスや緊張、猫背姿勢が続いた結果、肋間筋や脊柱起立筋が固くなっていることが多いんですね。
背中そのものの痛みより、「なんとなくずっと重い」「息が入りにくい」という表現が出やすいのが特徴です。
- 肩がいつもすくんでいて、胸が閉じている姿勢になりやすい。
- 深呼吸をしても、背中側に空気が入っていく感じがしない。
- ストレスが強い時期に、背中のつらさが悪化しやすい。
- 肋骨まわり(肋間)の拇指圧が少し痛く、呼吸も浅めになっている。
このタイプには、強圧よりも「呼吸を誘導しながらのやさしい圧」が合いやすいんです。
デスクワークが原因の背中こり

デスクワークが原因の背中こりは、現代のお客さんにとても多いタイプです。
長時間の座位姿勢で、胸椎のカーブが強まり、肩甲骨が外側へ広がりっぱなしになっていることが多いんですね。
| 特徴 | チェックポイント |
|---|---|
| 姿勢 | 頭が前に出て、猫背気味。肩が内巻きになっている。 |
| 主訴 | 肩甲骨まわりのコリ感、肩から背中にかけての重さ。 |
| 関連部位 | 首の付け根、肩、腰にも違和感が出ていることが多い。 |
| 施術のポイント | 肩甲骨周囲筋(僧帽筋、菱形筋など)と腰背部を連動してケアする。 |
仕事の姿勢を聞きながら、「ラクな座り方」の簡単なアドバイスを添えると喜ばれやすいです。
背中がつらい部位別の指圧マッサージ施術アプローチ
背中がつらいと言われた時の指圧マッサージ施術を、ここからは部位別にもう少し具体的に見ていく流れです。
同じ背中でも、「肩甲骨まわり」「肩甲骨の内側ライン」「腰背部」で、拇指圧の入れ方や圧の方向が少しずつ変わってきます。
自信がなくてもまねしやすいように、指の置き方や圧の方向をイメージしやすい言葉でお伝えしていきますね。
肩甲骨まわりへの指圧マッサージ
肩甲骨まわりは、僧帽筋や菱形筋、肩甲挙筋などが集まる、背中こりの中心的なエリア。
お客さんから「肩甲骨の内側がつらい」「肩が重い」と言われる時は、まずここから丁寧に拇指圧を入れていくと、全体がゆるみやすくなります。
| ポイント部位 | 拇指の置き方・圧の方向 |
|---|---|
| 肩甲骨上角まわり | 首の付け根寄り。拇指をやや斜め内側・下方向へ沈める。 |
| 肩甲骨内側縁の上部 | 肩寄りの内側。骨に向かって垂直に軽く拇指圧を入れる。 |
| 肩甲骨外側(外縁) | 外側は圧を弱め、手掌で包み込むようにほぐす。 |
| 肩甲棘まわり | 骨を避けながら、その上下をゆっくり持続圧で。 |
お客さんの呼吸に合わせて、吸う時に準備、吐く時に少しずつ圧を深めると安心です。
肩甲骨内側ラインへの指圧マッサージ
肩甲骨内側ラインは、「背中がつらい」と訴えるお客さんの多くがコリを感じる場所です。

ここには脊柱起立筋や菱形筋が走っているので、拇指圧の方向と深さを丁寧にコントロールすることが、安定した効果につながっていきます。
- 肩甲骨の内側縁から、指1本分内側(背骨側)にラインをイメージする。
- そのライン上を、上から下へ、または下から上へ順番に拇指圧していく。
- 圧は「背骨に向けて垂直気味」に入れ、骨に当てないように注意する。
- 特に硬いポイントは、少し長めに持続圧を入れ、抜くときもゆっくり離す。
左右差が大きい場合は、つらい側を少し丁寧に時間をかけてあげると、お客さんの満足感が高まりやすいです。
腰背部への指圧マッサージ
腰背部は、背中のつらさと腰の重さが混ざりやすいエリアです。
脊柱起立筋が腰から背中へとつながっているので、拇指圧を通して「腰から背中まで1本のライン」としてとらえてあげるイメージがおすすめです。
| エリア | 施術のポイント |
|---|---|
| 胸椎下部〜腰椎上部 | 背骨の両側に沿って、拇指2本で交互にリズム圧を入れる。 |
| 腰方形筋周囲 | 骨盤の上縁あたりを目安に、やや外側寄りを持続圧でじっくり。 |
| 仙骨まわり | 拇指では強く押さず、手掌で広く包み込むように圧をかける。 |
| 関連部位との連携 | 大殿筋やハムストリングスとのつながりも意識すると効果的。 |
腰背部は特に無理な強圧を避け、ゆっくり温めるような気持ちで触れていくと、お客さんも安心しやすいです。
背中がつらい症状を和らげるための圧のかけ方と手技の工夫
同じ場所を押していても、「圧の方向・深さ・リズム」の違いで、背中がつらい症状の和らぎ方が大きく変わってきます。
ここでは、拇指圧を中心に、安全な圧のかけ方や、省力で行うための体重移動のコツなど、施術に自信がない方でもすぐ試しやすい工夫をまとめていきます。
手技そのものを増やすというより、「今の手技の質を上げる」という視点で読んでみてください。
安全な圧の方向と深さ
安全な拇指圧の基本は、「垂直方向に、深さをコントロールしながら入れる」こと。
横からグイッと押し込むような圧は、筋肉をかえって緊張させたり、痛みを強めてしまうことがあるので注意が必要です。
- 圧の方向は、皮膚の面に対してできるだけ垂直を意識する。
- 浅い層から、ゆっくりと深い層へと少しずつ沈めていく。
- お客さんの「イタ気持ちいい」を基準に、深さを微調整する。
- 骨の上や、骨が近い場所は、深さを1~2段階弱める。
自分の拇指の関節が痛くならない範囲で行うことも、長く施術を続けるうえでとても大事なんですね。
持続圧とリズム圧の使い分け
指圧マッサージでは、「その場でじっくり押し続ける持続圧」と、「一定のテンポで何度か繰り返すリズム圧」を、うまく使い分けていくと背中がつらい症状が緩みやすくなります。
筋肉の状態によって、どちらをメインにするかを選んでいくイメージです。
| 手技 | 向いている状態 | ポイント |
|---|---|---|
| 持続圧 | コリが一点に集中している時、深部の緊張が強い時。 | 5~10秒程度かけて、ゆっくり入れて、ゆっくり抜く。 |
| リズム圧 | 広い範囲が張っている時、全体を温めたい時。 | 一定のリズム(トン…トン…)で軽~中等度の圧を繰り返す。 |
| 組み合わせ | 最初にリズム圧で緩めてから、ポイントに持続圧。 | お客さんの反応を見ながら、強さと時間を調整する。 |
迷った時は、まずリズム圧で全体を緩めてから、特につらいところへ持続圧を使うと組み立てやすいです。
体重移動を使った省力施術
体重移動を使えるようになると、腕や拇指に力を入れなくても、自然と安定した圧が入っていきます。
施術に自信がない時ほど、「力が足りない」と感じて腕でがんばりがちですが、実は体重をのせる感覚を身につけた方が、ぐっと楽になります。
- 足を前後に軽く開き、前足に体重を移す時に圧を入れる。
- 後ろ足へ体重を戻す時に、圧をゆっくり抜いていく。
- 拇指は「体重を受ける支点」で、押すのは足と体幹だとイメージする。
- 背筋を伸ばし、腰を落としすぎず、楽に呼吸できる姿勢を保つ。
施術中、自分の呼吸が止まっていないかを時々チェックしてみると、体重移動のリズムも整いやすくなります。
背中がつらいクライアントへの指圧マッサージ施術を成功させるための実践ポイント
背中がつらいクライアントへの指圧マッサージ施術を成功させるには、「完璧なテクニック」よりも、「安全で安心できる対応」と「丁寧なコミュニケーション」がとても大切。
拇指圧の強さだけに意識を向けすぎず、お客さんがリラックスして心地よく受けられているかに、常に耳を傾けてあげることが、セラピストとしての大きな強みになっていきます。
施術後には、「少しでも楽になったところ」「まだ気になるところ」を一緒に確認し、次回への提案や、簡単なセルフケアを1つだけお伝えするなど、小さな積み重ねが自分の自信にもつながっていきますよ。
背中がつらいと言われた時の指圧マッサージ施術法を、自分なりのスタイルに少しずつ育てていくイメージで、気楽に取り入れてみてください。
背中がつらいと言われた時の指圧マッサージ施術法では、評価から施術構成、安全管理まで一連の流れを整理してきました。
問診・視診・触診で状態を見極め、押してはいけない危険サインを避けることが、お客さんを守る第一歩になります。
拇指や手根を使った拇指圧は、筋疲労型・呼吸が浅いタイプ・デスクワーク由来など、背中こりのタイプ別に強さと方向を調整することが重要です。
肩甲骨まわり、肩甲骨内側ライン、腰背部へのアプローチでは、体重移動を活用し、省力で安定した圧を届けることが質の高い施術につながります。
安全性と心地よさを両立させながら、お客さん一人ひとりの背中こり改善をデザインできるセラピストを目指してください。
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