猫背指圧の基本手順と指圧ポイント|セラピスト向け猫背改善・姿勢矯正マニュアル
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デスクワークやスマホ習慣で「なんとなく猫背」が当たり前になっていませんか。
本記事では、セラピスト向けに猫背指圧の基本手順と指圧ポイントとして、評価から施術、フォローまでの流れを体系的に整理します。
頚部・肩甲帯・胸椎周囲など、猫背改善に欠かせない部位別の指圧ポイントや、拇指・拇指圧を中心とした安全で効果的な圧の方向・強さ・リズムをわかりやすく解説。
お客さんの猫背の種類や原因、筋肉・関節との関係を踏まえたうえで、姿勢矯正につなげる実践的な猫背指圧の考え方を、順を追って見ていきましょう。
猫背指圧の基本手順と指圧ポイントによる猫背改善と姿勢矯正の全体像を理解する
猫背指圧の基本手順と指圧ポイントとして、まず全体像をつかんでおきましょう。
お客さんの猫背をただ「ほぐす」のではなく、「どこに」「どんな拇指圧(ぼしあつ)を」「どんな順番で」入れるかを整理しておくと、施術に一貫性が生まれて自信につながりやすくなります。
ここでは、猫背の定義や種類、原因から、筋肉・関節との関係、そして猫背指圧の目的や適応・禁忌までをやさしく確認していきますね。
猫背の定義
猫背とは、背骨の中でも胸椎(きょうつい)が過度に後ろへ丸くなり、頭が前に出て、肩が内側に巻き込まれた姿勢のこと。
専門的には「胸椎後弯の増強」「頭部前方位」「巻き肩」などと表現されることが多いです。
お客さんから見ると「背中が丸い」「首が前に出ている」「姿勢が悪く見える」といった自覚になりやすい状態です。
リラクゼーションセラピストとしては、見た目だけでなく、呼吸の浅さや首・肩こり、腰の負担増加など、全身への影響も含めて猫背をとらえておくと、施術の説明もしやすくなりますよね。
猫背の種類
猫背と一言でいっても、実はパターンがいくつかあります。
どのタイプかをおおまかに把握しておくと、どこを重点的に指圧するかが見えやすくなります。
代表的な猫背の種類を整理すると、次のようになります。
| 猫背のタイプ | 特徴 | 重点部位の目安 |
|---|---|---|
| 頭部前方型 | 頭が前に出て首後面がつらい | 頚部後面、上部胸椎周囲 |
| 巻き肩型 | 肩が内側に入り胸が閉じる | 肩甲帯周囲、小胸筋、大胸筋付着部 |
| 胸椎過後弯型 | 背中の丸まりが強い | 胸椎起立筋、菱形筋周囲 |
| 骨盤後傾型 | 骨盤が後ろに倒れ腰が丸い | 腰背部、殿筋群、ハムストリングス |
このようにタイプ別に見ると、指圧ポイントの狙いもイメージしやすくなります。
猫背の原因
猫背の原因は「筋力不足」だけではないんですね。
長時間のデスクワークやスマホ操作などの生活習慣、ストレスによる呼吸の浅さ、合わない椅子や机の高さなど、環境要因も大きく関わります。
また、胸郭(きょうかく)が硬くなり、肋骨や胸椎の動きが悪くなっていると、無意識に背中が丸まりやすくなります。
リラクゼーションの現場では、原因を医学的に断定する必要はありませんが、「生活習慣+筋肉バランス+関節の硬さ」が組み合わさって猫背になっている、という全体像を持っておくと、カウンセリングの説明にも役立ちます。
猫背と筋肉の関係
猫背では、前側の筋肉が縮こまり、後ろ側の筋肉が引き伸ばされて疲れやすくなることが多いです。
具体的には、大胸筋や小胸筋、胸鎖乳突筋(首の前側〜横)、腹直筋などが短くなりやすく、逆に僧帽筋の中部〜下部、菱形筋、脊柱起立筋などは引き伸ばされて張りを訴えやすいです。
拇指による拇指圧を使うときは、「痛いところ=原因の筋肉」と思い込まず、「縮んでいる筋肉」「伸ばされて疲れている筋肉」の両方をイメージしながらポイントを選べると、一段レベルアップした施術になるんですね。
猫背と関節の関係
猫背は、単に筋肉が固いだけでなく、「動きにくくなった関節」が背景にあること。
特に関わりが深いのは、胸椎(背中の背骨)と胸郭(肋骨まわり)、そして肩甲骨と胸郭との間の肩甲胸郭関節と呼ばれるエリアなんですね。
これらの関節の滑りが悪くなると、いくら筋肉を緩めても姿勢が戻りにくく感じやすくなります。
- 胸椎の伸展(背筋を伸ばす動き)の制限
- 肋骨の上下・回旋の硬さ
- 肩甲骨の後傾・上方回旋の不足
- 頚椎の過度な前方シフト
指圧では関節そのものを強く動かす必要はないんですが、この辺りが硬いというイメージを持って、周囲の筋へやさしく拇指圧を入れると、猫背改善につながりやすくなります。
猫背指圧の目的
猫背指圧の目的は、「丸くなった背中を一気にまっすぐにする」ことではないんです。
お客さんの身体が安心して「もう少し伸びても大丈夫」と感じられるようにサポートすることが、本当のゴールになります。
そのために、前面の縮こまった筋をゆるめ、後面の張りを和らげ、胸郭と肩甲骨が動きやすい状態をつくることが狙いです。
| 目的 | 内容 |
|---|---|
| 筋緊張の緩和 | 前後のアンバランスを整え、楽に伸びられる状態にする |
| 呼吸の改善 | 胸郭の動きを出し、呼吸を深くしやすいようにする |
| 姿勢の気づき | 楽な姿勢・つらい姿勢をお客さん自身が感じやすくする |
| リラクゼーション | 自律神経を整え、筋のこわばりを間接的にも軽減する |
こうした目的を意識しておくと、同じ拇指圧でも施術の意味づけが変わって、自信を持って説明しやすくなります。
猫背指圧の適応と禁忌
猫背指圧は、多くのお客さんにとって負担が少なく、リラクゼーションと姿勢ケアを同時にねらえる方法です。
ただし、すべての人に同じように行えるわけではなく、適応と禁忌をざっくり理解しておくと安心です。
- 適応の例:慢性的な肩こり・首こりを伴う猫背、軽度の姿勢不良、デスクワーク後の疲労感、ストレス性の筋緊張など
- 注意が必要:骨粗しょう症の疑いが強い高齢者、強い痛みやしびれを伴う場合、明らかな外傷後まもない時期など
- 禁忌の例:圧痛が非常に強い椎体圧迫骨折部位、医師から「背骨への強い圧は禁止」と言われている場合、急性炎症(発赤・熱感)部位など
リラクゼーションセラピストの立場では、迷うケースでは無理をせず、「今日はやさしい範囲だけにしておきますね」と調整する姿勢が大切です。
猫背指圧の基本手順をセラピスト視点で整理する
ここからは、猫背指圧の基本手順を「セラピスト目線」で整理していきましょう。
施術に自信が持てないときほど、流れがあいまいになりがちです。
最低限の評価→準備→指圧の基本姿勢という3つを押さえておきましょう。
評価の流れ
評価といっても、専門的な検査をするわけではありません。
リラクゼーションの中でできる「安全確認」と「猫背の特徴をつかむ簡単なチェック」を、短時間で行うイメージです。
立位と座位での姿勢や、肩の位置、頭の位置、背中の丸まり方をやさしく観察していきます。
| 評価のステップ | ポイント |
|---|---|
| 1. カウンセリング | つらい場所、普段の姿勢、仕事や生活習慣を聞く |
| 2. 立位での観察 | 頭の位置、肩の高さ、背中の丸みを正面・側面から確認 |
| 3. 触診 | 頚部・肩甲帯・胸椎周囲の硬さや圧痛を拇指で軽く確認 |
| 4. 可動域のざっくり確認 | 無理のない範囲で、軽く肩や首を動かしてもらう |
この流れをルーティンにしておくと、「今日はどこを中心に猫背指圧をしようか」が自然と見えてきて、施術の組み立てが楽になりますよ。
施術前の準備
施術前の準備には、「環境の準備」と「セラピスト自身の準備」の2つがあります。
猫背指圧では、うつ伏せや仰向け、横向きなど姿勢を変えながら拇指圧を行うことも多いので、お客さんが安心して体位変換できる環境づくりがとても大切になります。
- ベッドの高さを、自分の拇指圧が入れやすい位置に調整する
- 胸や肩が楽になるように、タオルやクッションでサポートを用意する
- お客さんに「痛みが強い場所」「苦手な体勢」がないか確認する
- 自分の立ち位置・足幅・重心移動をイメージトレーニングしておく
こうした準備をしておくと、施術が始まってから慌てることが減り、拇指圧に集中しやすくなります。
自信のなさをカバーしてくれるのは、特別なテクニックよりも、ていねいな準備だったりするんですね。
指圧の基本姿勢
指圧の基本姿勢が安定していると、圧がぶれにくく、お客さんにとっても安心感につながりやすくなります。
猫背指圧では特に、頚部や肩甲帯、胸椎周囲に拇指圧を用いることが多いので、自分の体重を効率よく伝えるフォームを身につけておきたいところです。
| ポイント | 意識すること |
|---|---|
| 足幅 | 肩幅程度に開き、前後に少しずらして重心移動しやすくする |
| 背筋 | 自分の背中が猫背にならないよう、軽く伸ばしておく |
| 肘の角度 | 伸ばし切らず軽く曲げ、関節に負担をかけない |
| 拇指の使い方 | 拇指単独で押さず、他の指や手根で支え、体重を乗せる |
この基本姿勢ができていると、指先だけで頑張る必要がなくなり、長時間の施術でも疲れにくくなるんです。
結果的に、お客さんにも「安定したやさしい圧」が届けやすくなります。
猫背改善に有効な指圧ポイントを部位別に押さえる
ここでは、猫背改善に役立つ指圧ポイントを、「頚部」「肩甲帯」「胸椎周囲」に分けて整理していくんですね。
すべてを完璧に覚えなくても大丈夫です。
まずは、「このあたりをていねいに拇指圧すると猫背ケアにつながりやすい」という目安を持つことから始めてみましょう。
ポイントを絞ることで、施術がシンプルになります。
頚部の指圧ポイント
猫背のお客さんは、頭が前に出ていることが多く、頚部の後面〜側面がかなり負担を受けているんです。
ここをやさしくケアすることで、頭の位置が少し戻りやすくなり、首・肩の軽さにつながります。
| 部位 | 目安となる位置 | 指圧のポイント |
|---|---|---|
| 後頭下筋群 | 耳のうしろ〜後頭部の付け根 | 拇指の腹で頭の方向へ軽く押し上げるように圧を入れる |
| 頚椎両側 | 首の骨の両わき | 骨を避け、筋肉のくぼみに沿ってやさしく拇指圧 |
| 肩甲挙筋 | 肩甲骨の上角から首の横に走る筋 | 痛みが出やすいので、圧の強さをこまめに確認する |
頚部はデリケートなエリアなので、「強く押さない」「時間をかけすぎない」「お客さんの表情をよく見る」という3つを意識していきましょう。
肩甲帯の指圧マッサージポイント
肩甲帯(けんこうたい)は、肩甲骨と鎖骨、そのまわりの筋肉を含めたエリアのこと。
猫背ではこの肩甲帯が前方に引き出され、肩甲骨が外側・前側にずれやすくなります。
ここを整えることで、自然と胸が開きやすくなり、姿勢矯正の土台づくりにつながるんです。
- 僧帽筋上部:首の付け根〜肩先に広がる筋。表層にあり、こりを自覚しやすいポイント。
- 僧帽筋中部〜菱形筋:肩甲骨の内側〜背骨側。肩甲骨を内側に寄せる働きがあり、猫背では引き伸ばされて疲れやすい部位。
- 肩甲骨内側縁:肩甲骨の内側のきわ。拇指で縁をなぞるように圧を入れると、肩甲骨の動きが出やすくなる。
- 小胸筋付着部(軽く):鎖骨の下、胸の上部。強く押さず、浅くやわらかく触れるイメージが安心。
これらを全部やろうとせず、「今日は僧帽筋と肩甲骨内側だけをていねいに」など、メインを決めると施術が組み立てやすくなりますよ。
胸椎周囲の指圧ポイント
胸椎周囲は、猫背指圧の中でもとても大切なエリア。
背中の丸まりが集中しやすく、起立筋群や菱形筋が「がんばりすぎている場所」になりがちです。
ここを拇指圧でやさしくゆるめると、お客さんから「呼吸がしやすくなった」「胸が開きやすい」といった声をいただきやすくなります。
| エリア | 位置 | 指圧のポイント |
|---|---|---|
| 胸椎起立筋 | 背骨の両側に縦に走る筋 | 背骨から指1本分ほど外側を、一定のリズムで拇指圧 |
| 肩甲骨内側〜胸椎 | 肩甲骨の内側縁と背骨の間 | 肩甲骨の動きをイメージしながら、やや内側に向かって圧を入れる |
| 下部胸椎周囲 | 肩甲骨の下端〜腰の中間あたり | 猫背で負担が集中しやすく、広めにじっくりとほぐす |
胸椎周囲は、面として広くとらえるイメージで、「ここだけ」と点で押さないほうが、全体的な姿勢変化につながりやすいです。
姿勢矯正につなげる猫背指圧の実践テクニックを学ぶ
ここからは、猫背指圧を「姿勢矯正につなげていく」ための実践テクニックを見ていきましょう。
同じポイントを押していても、「圧の方向」「圧の強さ」「圧のリズム」が変わるだけで、受け手の感じ方や、身体がゆるむスピードがまったく違ってきます。
難しいテクニックよりも、基本の3要素を意識するだけで、施術の質はぐっと上がっていきます。
圧の方向
圧の方向を意識することは、猫背指圧の精度を高めるうえでとても大切です。
ただ「下に向かって押す」のではなく、「筋肉の走行」と「猫背で引っ張られている方向」をイメージしながら拇指圧を入れていきます。
| 部位 | 基本的な圧の方向 | 意識したいこと |
|---|---|---|
| 頚部後面 | やや頭側・内側へ向かうベクトル | 首を引っ張らず、頭の重さを受け止めるイメージで |
| 肩甲帯 | 肩甲骨に向かって、やや内側・下方向 | 肩甲骨が肋骨に沿って動きやすくなる方向を意識 |
| 胸椎起立筋 | 背骨に対して垂直に、やや内側へ | 背骨を押さず、両わきの筋だけに圧を通す |
圧の方向を一度に完璧にしようとせず、「今日は胸椎まわりだけ、方向を意識してみよう」くらいから始めると、無理なく身についていきます。
圧の強さ
圧の強さは、「お客さんの筋肉の状態」と「安心感」によって変わっていきます。
強ければ効くわけではなく、「ちょうどいい」「効いているけれど力みは出ない」レベルを一緒に探っていく感覚が大切です。
- 最初は弱めの拇指圧で入り、筋の反応を触りながら少しずつ強さを調整する
- 頚部や小胸筋付近など、デリケートな部位は常に弱め〜中くらいをキープ
- 胸椎起立筋など、筋ボリュームの大きい部位は、体重をゆっくり乗せて深さを出す
- 「痛い気持ちいい」と「我慢の痛み」の違いを、お客さんの表情や呼吸で見分ける
自信がないときほど強く押してしまいがちですが、「強さ」よりも「丁寧さ」と「安心感」が、結果として猫背改善にもつながりやすくなります。
圧のリズム
圧のリズムは、お客さんの神経系を落ち着かせ、筋肉がゆるむのを助けてくれる大事な要素です。
猫背指圧では、「ゆっくり・一定・呼吸に合わせる」という3つを意識するだけで、施術の雰囲気がガラッと変わります。
| リズムの要素 | 具体的なイメージ |
|---|---|
| スピード | 3〜5秒かけて圧を入れ、3〜5秒かけて抜く |
| 一定性 | 1押しごとに時間をそろえ、「急に強く」「急に弱く」を避ける |
| 呼吸との同期 | お客さんの吐く息に合わせて圧を深め、吸う息で少し緩める |
このリズムが身についてくると、「いつのまにか身体が楽になっていた」という感想をいただきやすくなりますよ。
テクニックに自信がなくても、リズムを整えるだけで、施術全体の質はしっかり上がっていきますからやってみましょう。
猫背指圧の基本手順と指圧ポイントを継続的な姿勢矯正に活かす考え方
最後に、猫背指圧の基本手順と指圧ポイントを、「その場かぎり」ではなく、継続的な姿勢矯正につなげていく考え方についてお話ししておきます。
猫背は長い時間をかけてつくられた姿勢のパターンなので、1回の拇指圧で劇的に変えるというより、「毎回少しずつ、身体が楽な方向を思い出してもらう」イメージが大切です。
そのために、施術の終わりに、日常で気をつけてほしい点を1つだけ伝えたり、次回はどのエリアを中心に猫背指圧をしていくかを簡単に共有したりすると、お客さんも「一緒に姿勢を育てていく」感覚を持ちやすくなります。
完璧を目指さなくて大丈夫なので、まずはここまでの基本手順と指圧ポイントを、自分なりの猫背指圧のスタイルとして少しずつ育てていってくださいね。
本記事では、猫背指圧の基本手順と指圧ポイント、評価から施術、姿勢指導までの流れを整理しました。
猫背の定義や種類、原因を理解したうえで、筋肉と関節の特徴を踏まえた指圧計画を立てることが、お客さんの猫背改善と姿勢矯正の第一歩となります。
拇指を中心とした安定した拇指圧、セラピスト自身の姿勢を崩さない基本姿勢、頚部・肩甲帯・胸椎周囲の指圧ポイントの的確な選択が重要です。
一度の施術で完結させようとせず、セルフケアや生活習慣の見直しと組み合わせて継続的に関わることで、猫背指圧の効果が長期的な姿勢改善へとつながります。
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